森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020 – 原美術館とハラミュージアムArc

今年2020年の12月いっぱいでの閉館がアナウンスされている原美術館。1月25日から4月12日まで開催されている「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」が個人アーティスの企画展としては最後のものになりますが、最後を飾るにふさわしい内容だったので紹介します。

もちろん閉館までの残り少ない期間にもグループ展やコレクション展が予定されているので、これが最後という訳ではありません。

コロナウイルスの影響で原美術館は2月29日から3月17日まで臨時休館してしまったので見られる期間は残り少ないですが、これは是非とも体験すべき展覧会です。



今回もインビテーションをいただいたので開幕前日のレセプションの様子です。

いつものレセプションより明らかに人が多いです。
原美術館の閉館間近という話題性と森村泰昌の人気の高さが重なっているのでしょう。パーティー会場や庭園には人が溢れていました。

”エゴ オブスクラ” は造語ですね。そしてサブタイトルの ”さまよえるニッポンの私”。このサブタイトルの方が内容全体を表しています。

▲森村泰昌がマリリン・モンローに扮して東大教養学部の900番教室に登場した際のイメージを模した展示です。

そしてその教養学部の900番教室は三島由紀夫が東大全共闘とまったく噛み合わない討論会を行った教室です。
今回の展覧会ではマリリンと三島が ”さまよえるニッポン” の象徴としてメインでフィーチャーされています。

マネの「オランピア」を下敷きにした作品。1988年。
白人に成り代わろうとする日本人の姿ですね。

そして30年後の「モデルヌ・オランピア」。
こんどは時代を遡って主従逆転させてと捻りが入っています。

自身の作品の前の森村泰昌。
まだまだ若く初々しい姿です。

オランピアのセットも公開されています。

これは本人による解説というかタネ明かし。

これもモネの「フォリーベルジェールのバー」。

変な構図なども原作に忠実。
ちなみにカウンターの女性の腕は作り物で、それも展示されています。

紳士の被るシルクハットは「モデルヌ・オランピア」にも登場しています。もちろん展示もされています。

腕を支えている手が見えます。



三島とマリリン

原美術館の2階の作品は基本的に撮影禁止。

今回も撮影禁止なので、有名な肖像写真や三島とマリリンなどは実際に見てもらうしかありません。

そして、実は今回の展覧会のメインはこの ”エゴオブスクラ” という1時間弱の映像作品なのです。

時間がないから、合わないからといって映像を観ないようでは本展を観たことにはなりません。
上映時間は随時変更されるようなので事前にホームページなどで確認しておくのがおすすめです。美術館に着いたらまず整理券を。

ちなみにメッセージ性が強い映像です。

上の銀色の金属球、今回の展示会場の何箇所かに置かれています。
これが何を意味しているかは映像を観ないと分かりません。

ともかく、原美術館最後の個人アーティスト企画展として有終の美を飾る素晴らしい展覧会です。

残り短い期間ですが都合をつけてぜひどうぞ。

ハラミュージアムアーク

原美術館は2020年末で閉館ですが、群馬の「ハラミュージアムアーク」は「原美術館ARC(アーク)」と館名を変更して活動していきます。

アークの方は行ったことがないという人も多いようなので簡単に紹介しておきます。

▲ハラミュージアムアークは群馬県渋川市。
榛名山の山麓にある美術館です。

榛名山といえば冬の厳しさが有名です。
それもあって冬季は美術館も休館です。

オトニエルの作品が出迎えてくれます。

ハラミュージアムのアークの作品

草間彌生など所蔵作品や常設作品も素晴らしいのですが、この美術館自体が作品だと言っても過言ではありません。

▲緑の芝生の向こうに建つ美術館は磯崎新の設計です。

▲磯崎新なので当然ながら宮脇愛子の作品もあります。

▲これはアンディ・ウォーホールの作品。
かの有名なキャンベルのスープ缶です。

念のため書いておくと、制作はウォーホールではありません。
ウォーホールがサインしたからウォーホールの作品です。

▲小野節子の作品。
小野節子はオノ・ヨーコ(小野洋子)の妹さん。

国連勤務を経て芸術家になったという経歴の持ち主です。

▲メナッシェ・カディッシュマンの「プロメテウス」。

ハラミュージアムアークに並ぶ作品の中で一番好きなのがこれです。

▲カフェダール。
夏でも涼しい高原なのでテラス席がおすすめです。

▲カフェダールの店内から。
庭と作品と磯崎新の建築と、そして遠くに赤城山。

▲これは美術館の廊下から眺めた庭とオラファー・エリアソンと赤城山。

広々とした庭が気持ちいいですね。

庭に出てみても同じような気持ち良い空間です。

ちなみにこの記事に掲載した写真、どれもまったく人が写っていません。
でもゴールデンウィークに訪問した時に撮影した写真なのです。

桜の季節はもっと混んでいるのかもしれませんが、ゴールデンウィーク、夏休み、秋の連休など何回か訪問していますが、なぜかいつもこんな感じです。

来年以降は多少は混むようになるかもしれません。


ハラミュージアムアークの場所

群馬県渋川市。

新幹線と在来線とバスを乗り継いで行くこともできると思いますが、東京からなら関越道を使ってクルマで行くのが良いです。

都心からだとC1〜外環〜関越渋川ICというルートでトータルで2時間くらい。何もなければ。

週末の関越の下りは時間が読みづらいのと渋川ICの出口渋滞が酷いのが難点ですね。
私達はいつも9時半の開館時間に到着するよう出発しています。そうすると朝の関越下り渋滞は多少ありますが渋川の出口渋滞は回避できるようです。

渋川ICを出てしまえば一般道を20分ほど走って到着です。Easy。

▲ハラミュージアムアークの駐車場で注意しなければならないのは、一番建物よりのスペースは自動車ではなく自転車用、つまり駐輪場です。

写真のように自転車型の車輪止めが置かれているのでクルマは入れられません。
ちなみにこの車輪止め、ショップで売られているので気に入ったら1台どうぞ。

原美術館

品川区北品川 4-7-25
休館日:月曜日。
開館時間:11:00 – 17:00 (水曜日は20:00まで)

ハラミュージアムアーク (原美術館ARC)

群馬県渋川市金井 2855-1
休館日:木曜日と冬季(1月中旬~3月中旬)
開館時間:9:30 – 16:30 


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