森美術館「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」

六本木ヒルズ森美術館で始まった展覧会「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」の紹介です。

今回このブログでは個々の作品解説ではなく、どんな雰囲気の展覧会なのか、掴んでもらうための紹介をしたいと思います。

まず、この展覧会のタイトルは、IBMが開発したAI(人工知能)「IBM Watson」との協働により決定しました。AIによって生成された15,000を超える候補から選ばれたタイトルが「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命―人は明日どう生きるのか」なのです。その詳細はこちらを参照してください。



この展覧会は5つのセクションで構成されています。

セクション1「都市の新たな可能性」から始まります。

導入となるこのセクションは、現在進行中の都市計画や、未来の都市像を提案する複数のプロジェクトの紹介です。▼

ノーマン・フォスター率いるフォスター+パートナーズがアブダビに建設中の《マスダール・シティ》は、石油に依存しない、再生エネルギーによって稼働する都市です。▼

鑑賞者の目線を感知して作動するらしいのですが、どう連動してるのかよくわかりませんでした。▼

懐かしい映画のポスター▼

古今東西のAI、ロボット、宇宙人などをテーマにしたフューチャリスティックな映画たちです。

次はセクション2 ネオ・メタボリズム 建築へ ▼

ミハエル・ハンスマイヤーによる《ムカルナスの変異》(2019)▼

森美術館の円柱を利用したインスタレーションです▼

「ムカルナス」とは、イスラム建築に見られる持ち送り構造(上部の張り出した重量を支える構造)の装飾のこと。

幾何学的なパターンを持つこの様式を参照し、コンピュータによるシミュレーションによって、人の手ではつくりえない荘厳な構造物を生み出しました。

エコ・ロジック・スタジオは、バイオ技術を建築に融合させる試み《H.O.R.T.U.S XL アスタキサンチン g》(2019)を出品。

ユーグレナを構造の中に埋め込むことで酸素が生成されるというこのプロジェクトは、建築と生物学などを融合させた、新たな建築のかたちとも言えるでしょう。▼

ドローンですね▼




セクション3 ライフスタイルとデザインの革新▼

この作品は変化します▼

手をかざすと体温で中の温度に変化が生じ、それを検知すると中から赤い光が▼

今回の展覧会で唯一の参加型作品▼

混雑してきたら並んだりする可能性があるので、事前に注意書きを読んでいきましょう▼

手順です▼

二人で参加しますが、一人はただ見てるだけでした。

エイミー・カールは、神経や肺などの体内組織をモチーフにした服「インターナル・コレクション」シリーズ。

人間の内側を外側へとひっくり返し、衣服の概念を覆す作品です。▼

電通が中心に行っているプロジェクト「OPEN MEALS」は、《SUSHI SINGULARITY》を展示▼

この展覧会で一番人気のコーナー▼

似顔絵を描いてもらえる!?▼

セクション4 身体の拡張と倫理

今回、森美術館はバイオアート作品の制作や実験ができる環境として「バイオ・アトリエ」を日本で初めて美術館内に設置しました。

この内部では、複数の作品を進行形で見ることができ流のです。▼

この心臓動いています▼

ディムート・シュトレーペはゴッホが切り落とした左耳を、その末裔から採取したDNAによって再現するプロジェクト《シュガーベイブ》(2014-)▼

アギ・ヘインズによる遺伝子デザインされた赤ん坊のモデル「変容」シリーズ▼

そのヴァン・ゴッホの肖像▼

肖像画と思わせて実は森村泰昌の作品です。当然被写体は森村泰昌ご本人。
ちなみに森村泰昌凱旋展として2020年年明けから原美術館で個展が開催される予定です。

オランウータンと人間の架空の交配から「人間のニーズを合わせて人工的に進化させることはどこまで許されるのか」を問いかけるパトリシア・ピッチニーニの《親族》(2018)▼

次のこの作品はメガネを付けてみると色が変化します。

メガネなし▼

メガネあり▼

セクション5 変容する社会と人間▼

こちらは60分の映像作品でメモ・アクテン《深い瞑想:60分で見る、ほとんど「すべて」の略史》(2018)です。

巨大なスクリーンに映し出される色とりどりの花や煌く宇宙の星々。これらは写真共有サイト「Flickr」で「全て(everything)」タグがついた写真をニューラル・ネットワークに機械学習させ、その学習に基づいて人工知能が自動生成したものなのです。人類が生成し続けるビッグデータが、誰も見たことがない風景を映し出します。

個人的には一番面白かった作品なので、次回訪問時は全編鑑賞予定です。▼

この部屋に入ると顔認証されます▼

展覧会の最後を飾るのはアウチによる《データモノリス》(2018/19)です。

真っ暗な部屋に、高さ5メートルもの直方体がそびえ、その4面に高精細な映像が映し出されます。▼





美術館を出たらSUN&MOONの一角にある東京カルチャーリサーチという小スペースにてつげ義春の「ねじ式展」という展示が行われていました。(開催期間は2019.10/30-12/1まで)

この展示はつげプロジェクトvol.1となっており、vol.2は4月に開催予定だそうです。次は何が起きるのか楽しみですね。▼

ねじ式は終了していますが、未来と芸術展は来年3月末までと会期が長いので、是非足を運んで見てください。

未来はどうなっていくのか、考えさせれられる展覧会です。

「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」

森美術館

2019.11.19(火)~ 2020.3.29(日)会期中無休
開館時間10:00~22:00 ※火17:00まで
※12月31日(火)、2月11日(火・祝)は22:00まで
料金:一般1,800円、高・大学生1,200円、4才~中学600円、65歳以上1,500円


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