読み方が違う? 飯倉と飯倉片町

港区内をほぼ東西に貫く外苑東通り。麻布台の飯倉交差点を一方の始点に、飯倉片町、六本木、乃木坂、青山一丁目から信濃町方面へ繋がっています。

この外苑東通りと国道1号、通称桜田通りと交わるのが「飯倉交差点」。都道415号線、通称麻布通りと交わるのが「飯倉片町交差点」になります。

飯倉の交差点。交通の要衝なので”平日は”交通量も多く、名前を知っている人も多い交差点です。また、桜田通りの下り線から外苑東通りへは右折できますが、それ以外の方向からはどこへも右折できないので、今のようにカーナビが普及する前はサンデードライバー泣かせの交差点でもあったそうです。

外苑東通りと桜田通りの標識。
よく見ると外苑東通りの標識は左側に凸状になっておらず、この場所が始点であることを示しています。

ここから六本木方面に行くと「飯倉片町交差点」になります。


こちらが飯倉片町の交差点。ここも交通量の多い交差点です。
写真で交差点の向こう側から六本木。角に見えるのがアウディ(以前は三和自動車のポルシェ)の、その向かいにはフェラーリの専門店(以前はガソリンスタンド)がありいかにも六本木な雰囲気ですね。

道路標識は外苑東通りと都道415号。まだ「麻布通り」への変更が済んでいないようです。

さて、この「飯倉」という地名の読み方ですが、多くの人が「いいくら」と呼ぶようです。

実際に交差点の信号機に付けられているローマ字表記を見てみると、

こちらは飯倉交差点の方。”IIKURA” つまり「いいくら」と表記されています。

ところが飯倉片町の方を見てみると、

おや、”IIGURA KATAMCHI” つまり「いいぐら かたまち」と表記されています。

飯倉交差点と飯倉片町交差点では「飯倉」という文字の読み方が異なるようです。
ただ飯倉という町は麻布台や東麻布に分割、吸収されてしまい、正式な地名としては残っていません。
そのため、正式な読み方も曖昧なままになっているようです。

麻布台には外務省、つまり国の施設としての外務省飯倉公館がありますが、この英語表記は “The Iikura Guesthouse of Ministry of Foreign Affairs” となっていて、国としては「いいくら」と読むことにしているようではあります。(外務省の公式文書)


飯倉という地名は、伊勢神宮に関東地方から奉納する穀物を貯蔵する倉があったことに由来し、その守護神として芝大神宮が置かれていたそうです。
そんな由来や、かつて飯倉という町名が存在していたころの行政文書をみると、「いいぐら」という読み方が正しいようです。

ただ「いいくら」の方が発音しやすいので、今はこちらの方が主流になってしまい、飯倉片町の標識として残っているということのようです。
せっかくの古い読み方なので、飯倉片町の交差点だけは由緒正しい「いいぐら かたまち」と呼んであげたいですね。


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