西麻布のラーメンと言えばかおたん
西麻布の「かおたんラーメン」と言えば、交差点のホブソンズと並んで懐かしいお店です。
懐かしいと感じるのはある世代以降の方々なのですが、とにかく80年代から今も変わらず営業している、”知る人ぞ知る、でも知っている人はやたら多い” というラーメン屋さんです。
本当は南青山
西麻布あるいは乃木坂のかおたんラーメンと言われることが多いのですが、実は住所は南青山です。
店のすぐ横には春は桜トンネルになる青山墓地への坂道があり、正面は米軍基地星条旗新聞社があります。
六本木に近いけれど周りは墓地や基地や公園なので静かな場所でもあります。
えんとつ屋
お店は完全にバラックです。店の上にえんとつが4つあり、これがえんとつ屋と言われている所以です。
ではこのお店、創業当時は新しくて小綺麗だったかと言えば、そうではありません。
創業当時からこんな感じで今も変わらないという方が正解でしょう。
「かおたんラーメン入口」や「営業中」と書かれた看板類、すべて拙い手書きというのも味がありますね。
中国福建省の高級スープ
とお店には書いてありますが、高級かどうかは置いといて、澄んだ醤油味のスープに揚げ玉ねぎの甘みが美味しいラーメンです。
すぐ近くには豚骨ラーメンの老舗博多麺房赤のれんがありますが、私はどちらかと言えばかおたんラーメンが好きです。
一時期、かおたんラーメンは変わってしまった、昔の方が美味しかった。という声を聞きましたが、はっきり言ってそこまで昔の味は覚えてないし、取り立てて騒ぐほどの変化はないように思います。
そんな事言う人はきっと、変わってしまったのは自分の方なのではないかと思ったり‥。
揚げ玉ねぎ
このスープに浮いた揚げ玉ねぎが美味しさの秘密だと思います。丸見えなので秘密ではなく、アクセントですね。
昔と変わったと言うなら、この揚げ玉ねぎが昔の方がもっと多かったような気がします。
でも、それは揚げ玉ねぎが美味しかったと言う記憶から、美化しているのかもしれませんので、真実はわかりません。
今回はスタンダードにラーメンです。
餃子やワンタン、もやしなんかも美味しいのですが、とりあえずラーメンです。
メニュー
夜になるとラーメン以外に色々頼んで、完全に飲み屋状態で利用しているグループ客などが多くなります
かおたんの真骨頂は深夜でしょうね。金曜の深夜が1番の混雑なのではないでしょうか。
いわゆるシメのラーメンと言う流れのお客さんが大勢流れ込んできます。
もうアートの域
お店の中を紹介しましょう。この日は早めの時間帯だったのでほとんどお客さんはいませんでした。
真ん中に長いテーブルが2個、入り口左手にはお座敷席があります。
当然相席になるので、酔っ払い同士が仲良くなって盛り上がったりなんてシーンも深夜には繰り広げられます。
厨房の窓口が真ん中にあります。ここからラーメンが出てきます。お会計もここでします。
何回もここでラーメンを食べていますが、厨房横のトイレに入ったことはありません。ちょっと気が引けますね。
天井は電気系の配線がむき出しです。さながら弦楽器のようですらあります。
出入り口の横のつぎはぎ。これはもうアートです。
移り変わりの激しい西麻布でこれだけ長く営業していますし混み方を見れば絶対儲かっているハズ、でも建物はずっとこんな感じですから、これは絶対狙った確信犯だと思います。
バラック感満載ですが、ティッシュの用意などお客さんへの配慮は忘れていません。
西麻布、南青山と言うセレブ感のある地域で、このバラック感がすごく安心するのかもしれませんね。
特にバブルで浮かれていた頃の酔っ払い客にはこの感じがすごく受けたのでしょう。
初めて訪れる時はこの扉を開けるのに勇気がいると思いますが、入ってみれば普通?のラーメン屋さんです。
懐かしい人も、そうでない人も一度行ってみて下さい。
かおたんラーメンのお店の場所は、西麻布の交差点から外苑西通りを北に向かい、最初のY字路を乃木坂の方に歩けば見えてきます。
かおたんラーメンえんとつ屋南青山店
港区南青山 2-34-30
定休日:日曜日
営業時間:11:00〜翌5:00