麻布と軽井沢でアントニン・レーモンドとアレクサンダー・ショウ

麻布ゆかりの軽井沢のお店や名所の紹介シリーズ、少し前にエロイーズ・カニングハム繋がりで「エロイーズ・カフェ」を紹介しましたが、今回はエロイーズ・カニングハムの西麻布の旧居であるカニングハム・メモリアル・ハウスも設計したチェコ出身の建築家アントニン・レーモンドを中心に紹介します。

レーモンドは西麻布の笄町(の今の税務署の辺り)に自宅兼事務所を構えていて、軽井沢にも別荘を持っていました。
なので、麻布や軽井沢に多くの建築を残しています。



麻布のアントニン・レーモンド

まずは西麻布のエロイーズ・カニングハム自邸。

根津美術館にも近いこのカニングハム邸はこのブログではもう何度も紹介していますね。

▼こちらは麻布台の「聖オルバン教会」。

飯倉交差点の近く、東京タワーへ続く永井坂の途中にある教会の東京タワー側の方です。

▲いかにもレーモンドらしい三角屋根。

▲教会の内部の様子です。

ちなみに聖オルバン教会の隣が聖アンデレ教会(飯倉の交差点側)。
そこは軽井沢を世界に紹介したアレクサンダー・クロフト・ショウが創立者です。

軽井沢 聖パウロ教会

聖オルバン教会はレーモンド晩年の作品ですが彼が戦前に設計したのが軽井沢の「聖パウロ教会(軽井沢カトリック教会」。

数多い軽井沢の教会の中でも知名度は一番と思われる聖パウロ教会。
結婚式に招待されて訪問された方も多いのではないでしょうか。

旧軽通りから一本入ったところに位置しています。

▲レーモンドの代名詞ともいえる三角屋根。
麻布台の聖オルバン教会を彷彿させますね。

もちろん設計・建立は軽井沢の方が古いです。こちらは戦前、麻布台の方は戦後です。

▲レーモンドのもうひとつの代名詞、尖塔もこちらは分かりやすくなっています。

旧軽通りからチャーチストリートを抜けてきただけでは聖パウロ教会の片方しか見たことになりません。
裏まで回って教会の建物をじっくり鑑賞したいですね。

▲教会の内部です。

聖オルバン教会との類似性を感じられます。

▲内部は創建当時のままのようにも見えます。

ただ、椅子はけっこう最近。50年ほど前に導入されたものだそうです。

▲これはクリスマス時期の聖パウロ教会。

クリスマスの飾り付けがされていますがありがちな装飾過多なものではなく、非常にシンプルな軽井沢らしいクリスマスです。

冬に旧軽まで足を伸ばす人は少なく、旧軽通りもチャーチストリートも夜は静かで落ち着いたクリスマスを味わえます。




アトリエ兼別荘「軽井沢・夏の家」

レーモンドの事務所兼自宅は西麻布笄町にありましたが、夏は軽井沢のアトリエ兼別荘で過ごすことも多かったようです。

その名も「軽井沢・夏の家

▲現在は塩沢湖を中心にしたリゾート施設「タリアセン(旧塩沢湖レイクランド))」の中に移築されています。

建物としてそのまま残されているのではなくフランスの画家レイモン・ペイネの作品を展示する「ペイネ美術館」として使われています。

まぁ建物が残ったので良しとしましょう。

▲平屋なんだけど一部2階建て。

時が経つにつれモダンになるというタイムマシンのような建築です。

▲以前高崎市に残るレイモンド自邸のレプリカよりは西洋風。

軽井沢という土地柄、こちらの方が周囲に溶け込んでいたのでしょう。

▲ちなみにタリアセンには他にも歴史的建築物が移築され見学することができます。

塩沢湖(という名のため池)の向こうに見えるのはウィリアム・M・ヴォーリズ設計による睡鳩荘。朝吹登水子の山荘だった建物です。

この場所、最近ではドラマのシーンにも使われ有名ですね。


アレクサンダー・クロフト・ショウ

▲最初に戻って、麻布台の聖オルバン教会の隣、飯倉の交差点側が「聖アンデレ教会」です。

創立者はアレクサンダー・クロフト・ショウ(日本では ”ショー” という表記が一般的ですが、聖アンデレ教会の紹介文に従って ”ショウ” と表記します)。

軽井沢を世界に紹介した人物で、軽井沢にも「ショー通り」という名前が残っていたり、由緒ある場所がたくさん残っています。

▲これはショウの最初の別荘。

現在は「ショーハウス記念館」として一般公開されています。

▲ただオリジナルの建築物ではなく昭和になって復元されたものです。

▲内部には当時の軽井沢での生活を伺い知れる展示などが陳列されています。

隣には軽井沢最古の教会である「軽井沢ショー記念礼拝堂」もあります。
教会内は撮影禁止なので外観写真のみです。だいたいいつ行っても結婚式をしていたり礼拝の時間だったりでそもそも内部にはなかなか入れません。

あと軽井沢にはレーモンド設計による「新スタジオ」という建築もあるのですが、現在も現役で使用されているのと別荘地の常でクルマを停めるスペースもないので紹介は差し控えておきます。碓氷バイパスから続く道からちょっと入ったところですので徒歩か自転車で通りかかる機会があったら思い出してみてください。

このようにアントニン・レーモンドに焦点をあてるだけで麻布と軽井沢の接点が浮かび上がってきます。
せっかく軽井沢など行くのならショッピングだけでなく様々な歴史に思いを寄せた場所巡りもしてみたいですね。


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