塩田千春展「魂がふるえる」森美術館

6月20日から始まった六本木ヒルズは森美術館での個展「塩田千春 展 魂がふるえる」を早速見に行ってきました。

この展覧会は「塩田千春の全貌を明らかにする、過去最大で最も網羅的な個展」という触れ込みですから、期待せずにはいられません。

まず、美術館の入口へと向かうエスカレータ前の吹き抜け空間から展示は始まります。

GINZA SIXでのインスタレーションが記憶に新しい船のインスタレーションです。

高さ11メートルの天井から吊られた65艘の舟は、美術館の入口で観客を出迎え、展覧会という旅へと誘います。

この作品は会期スタート前の6月上旬からすでに展示されており、写真は展覧会前に行って撮影したものです。

会期が始まると人がいない状態を撮影するのは、なかなか難しくなります。



入って最初の作品は作家の娘の手をモデルにした作品です。▼

塩田作品の象徴である糸も出てきます。▼

そして、最初に現れるインスタレーションがこの赤い糸の作品「不確かな旅」です。

この作品制作は機械では代われません。全て人の手による仕事です。▼

全ての糸の動きは人間の手による作業の痕跡です▼

赤い糸と共に輪郭線だけの船が漂うように設置されています。

船は塩田作品に度々登場する重要なモチーフです▼

年表と「不確かな旅」▼

作家5歳の時の作品と写真▼

学生時代に描いたという平面作品▼

初期のパフォーマンスの記録やドローイング作品など▼

パフォーマンスの記録画像▼

ドローイング▼

現在の糸のインスタレーションを想起させるセルフポートレート▼

糸の初期作品▼

映像作品キャプション▼





「バスルーム」1カット▼

横浜トリエンナーレ2001で発表された「皮膚からの記憶-2001-」の記録写真▼

六本木クロッシングではチェーンが巻かれていた柱に毛糸が巻かれています。▼

「外在化された身体」2017年の癌再発と闘病以降、モチーフとして身体のパーツが使われるようになります。

その背景には、治療のプロセスでベルトコンベアーに乗せられるように、身体の部位が摘出され、抗がん剤治療を受けるなか、魂が置き去りにされていると感じた経験から来ています。

このインスタレーションは糸ではなく赤い革です。これも皮膚をイメージしているのかもしれません▼

ミニチュアの家具と糸。窓の外のミニチュアのような東京との対比が面白い▼

展覧会初日の午後の様子。平日だけど結構人が入ってます▼

「静けさの中で」
作家が幼少期に、隣家が夜中に火事で燃えた記憶から制作されたインスタレーション。▼

焦げたグランドピアノ▼

「時空の反射」
中央を鏡で仕切られた空間の両側に浮かぶドレスと映るドレス。虚像と実像の曖昧さが不思議な作品。▼

赤いドローイング▼

「内と外」
1996年にドイツに移住し、現在はベルリンを拠点とする塩田は、ベルリンの壁の崩壊から15年後の2004年頃より、窓を使った作品を制作し始めました。▼

約230枚の窓枠が用いられています。

「集積―目的地を求めて」
天井から赤い糸で吊るされた430個のスーツケースが小刻みに揺れます。▼

スーツケースが見知らぬ人の記憶、移動や移住、あるいは難民として定住先を求める旅など、人生の旅路そのものを示唆しています▼

「行くべき場所、あるべきもの」
失われた過去を示唆するオブジェが古いスーツケースに詰められています。▼




最後の展示作品はビデオ映像です▼

「魂ってなに?」という問いに答える子供達▼

塩田展で撮影禁止なのは演劇の舞台美術の展示コーナーだけです▼

展覧会は6/20-10/27までの長期間です。その間幾度となく訪問する予定です。

アーティストの言葉

今まで、展覧会が好きでそれだけが生きがいで、作品を作ってきました。どうにもならない心の葛藤や言葉では伝えることができない感情、説明のつかない私の存在、そのような心が形になったのが私の作品です。一昨年、12年前の癌が再発しましたが、死と寄り沿いながらの辛い治療も、良い作品を作るための試練なのかもしれないと考えました。この展覧会では、過去25年分の作品を発表します。裸になった私の魂との対話を観てください。

塩田千春展 「魂がふるえる」

2019.6/20-10/27 会期中無休

10時〜22時(火曜のみ17時まで 10/22(火)は22時まで)


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