Takuro Someya Contemporary Art – 岩井優 | 親密の遠近法 (天王洲に移転)

南麻布のギャラリー「Takuro Someya Contemporary Art(TSCA)」で10月14日までで開催されている岩井優個展「親密の遠近法」を鑑賞してきました。

南麻布の小さなギャラリーで展示されているインスタレーションは2点。
しかしそのどちらも東南アジアを舞台に彼の地における格差/差別構造を告発するという、つまり現状の世界の問題を反映した興味深いものでした。

(この記事はTakuro Someyaが南麻布にあった頃の記事です。TSCAは2018年秋に天王洲に移転しています。TSCAの後に入ったギャラリーについては別記事で紹介します)



モーターサイクル・ウォッシング

音と映像のインスタレーション「モーターサイクル・ウォッシング」。
タイに居るミャンマーからの移民労働者がバイクを洗う様子を逆光で撮った映像が壁面に投影され、上から撮った映像が床に投影されています。
また左右のスピーカーからタイ語とミャンマー語が流れ、混沌としたコミュニケーションを実感することができます。
これは床に投影された映像。
ミャンマー人移民がバイクを洗う様子ですね。

この短い映像の中でタイ人と移民であるミャンマー人との間に自然と格差が生まれ従属構造が出来上がって行くらしいのですが、言葉が分からないので実はよく分かりませんでした。

ホワイトビル・ウォッシング

もう一つの映像作品「ホワイトビル・ウォッシング」。
内戦終結後にスラム化したホワイトビルという住宅群。
そのスラム住人が取り壊されることが決まったビルを洗浄しブラシで清掃する様子です。

モーターサイクル・ウォッシングは違法、合法なミャンマー人労働者が主役でしたが、こちらはタイ人のスラム住人。

どちらも差別されたり存在すら無視されている人々です。
実は先週まで仕事でベトナムに行っていたもので、東南アジアの隠れた差別や国内の差別などは余計リアルに感じられました。



Takuro Someya Contemporary Art

なかなか刺激的な作品が展示されているTakuro Someya Contemporary Art (TSCA)。
南麻布のちょっと分かりづらい場所です。

この普通のマンションの1階がTSCA。
ちなみにこのマンションの前の坂(奴坂といいます)を下って左に曲がると釣り堀の「衆楽園」です。
マンションの1階部分。
大きな窓がありますが今回は映像インスタレーションということで暗幕が張られ中の様子が見えません。

ドア付近の様子です。

ドアに近づくと「岩井優 | 親密の遠近法」のポスターがありました。

この付近、有栖川公園から下に降りればEMON フォトギャラリーが、六本木方面へ歩けばカイカイキキギャラリーがあったりと、意外とギャラリー密集地帯になっています。

郵便受けには小さくギャラリー名が貼られていました。
小さなギャラリーですがこの岩井優や大山エンリコイサムなど優れた中堅アーティストを扱っていて定期的な展覧会も楽しみです。




問題は場所が判りづらいことですが、広尾・六本木方面からなら「衆楽園」の記事を参考にしてもらうのが一番かと。このT字路、右へ曲がると衆楽園ですがまっすぐ坂(奴坂)を上るとTSCAギャラリーです。
(なお、今はこの電柱に掲げられた衆楽園の看板は取り払われているので注意してください)

TSCAギャラリーが入るマンションは仙台坂上の交差点とイラン大使館前を通って四の橋へ抜ける道(薬園坂)にも面しているので、四の橋の都営バスのバス停から薬園坂を登って奴坂と交わるところを目指すのもよいと思います。これでも十分判りづらいですが。

ただ南麻布一帯は散歩するのも楽しい場所なので、天気の良い土曜日に迷いながらTSCAを目指すのもまた一興かと思いますよ。

冒頭でも書きましたが、現在のTSCAは天王洲に移転しています。
もっともTSCAの後にはまた別のギャラリーが入居していますので、そちらもどうぞ。

Takuro Someya Contemporary Art

港区南麻布 3-9-11
休廊日:日・月・祝
開廊時間:12:00 – 19:00


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