麻布界隈の安藤忠雄建築
日本が世界に誇る建築のオリジネーター安藤忠雄が手掛けた物件のうち、麻布界隈で見られる知られざる物件のレポートです。
麻布界隈で有名な安藤忠雄建築と言えばまず東京ミッドタウンの21_21design sightが頭に浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
また、広尾の21世紀キリスト教会!と思ったあなたは結構な建築マニアですね。
今回はそのどちらでもない安藤忠雄建築です。西麻布、南麻布それと南青山の建築を紹介します。
(このエリアには他にも安藤忠雄建築が点在していて、この記事で紹介する建築はほんの一部です)
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プライベートミュージアム
まずは麻布エリアにある完全に個人のプライベートミュージアムです。
個人でプライベートミュージアムを建設、しかもその設計を世界の安藤忠雄に、しかも麻布エリアに、どのキーワードをとってもただものじゃないのがお分かりかと思います。
完全に住宅街の中にそれは建っています。
そう、ここはあの某ゼネコン会長のプライベートミュージアムなのです。
こちらの飛び出さんばかりの人形もアート作品で、ジョージエ・オズボルトの作品でイヴ・クラインの作品のオマージュです。
2006年の竣工時には設置されておらず、2016年以降に設置されたようです。
もちろんゼネコンの会長ですから法律は厳守しています、この作品の飛び出し部分も私有地の中です。
▼そして、キラキラと輝いているのは、内部に設置されたオラファー・エリアソンの作品です。そこまでわかっていますが、見ることは不可能です。悲しい〜。
オラファー・エリアソンといえば瀬戸内の犬島や金沢21世期美術館の作品を思い出す方も多いでしょう。
少し前に東京都現代美術館で「ときに川は橋となる」展が開催され話題になった益々注目のアーティストですね。
で、こちらの安藤建築、ガラスのファサードが一枚あって、その内部がコンクリートになっています。
ここは完全なる住宅街に突如として現れる安藤忠雄建築です。
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西麻布のCUE NISHIAZABU
安藤さんですが、この建築が2006年で、その3年前にここからそう遠くない西麻布にて集合住宅 CUE NISHIAZABUを設計しています。それがこちらです。▼
ここもガラスファサードとコンクリートの組み合わせですね。
ガラスに六本木ヒルズが映り込んでいますので、ヒルズにも近いことがわかります。
ここは賃貸住宅のようです。どんな人が住んでいるのでしょうか。気になりますね。
33m2の1Rで賃料が20万円+管理費2万円のようですから西麻布という場所柄やっぱり高級賃貸ですね。
このスリットの入り方、安藤建築ぽいです。▼
中庭があるようです。▼
こちらは地下への階段。部屋の中もコンクリート打放しのようですよ。
間取りは1Rだけでなく、メゾネット形式で部屋のなかに階段のある部屋などもあるようです。
住むのは無理でも中の見学だけでもしてみたいですね。▼
西麻布のKHKビル
そして、この界隈の安藤建築で最も古い商業ビルKHKビルがこちらです。
(以前はTKビルという名称でした。オーナーが変わったのかビル名も変わっています。地図検索する際はKHKビルで検索してください)
ここは外苑西通り沿でナイジェル・コーツのThe Wallの真正面にあり、竣工は正面のThe Wallより古い1986年です。ここもまた安藤建築らしいコンクリート打放しです。
テナントは入れ替わりの激しい印象ですが、飲食店が入っているビルです。2F3Fは深夜営業の一つの飲食店が入っていましたが、現在は閉店してるようです。看板だけ残っているので次のテナントは入ってないのでしょう。
表からはわかりませんがビルの内部から裏側に廻ると安藤建築らしい場所が現れます。▼
かなり淀んでいますが、水盤らしきものもあります▼
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上を見上げるとコンクリートの壁に切り取られた空が見えます。▼
上の写真をトリミングすると、安藤忠雄設計石川県の西田幾多郎記念哲学館の「空の庭」や同じく安藤忠雄設計直島のベネッセミュージアムの彫刻安田侃作品のある場所に見えなくもないですね。
ただしこのスペースは裏動線で飲食店を訪問するお客さんが通る場所ではないのでまさに知る人ぞ知るスペースです。
もったいないと言うか、贅沢な空間と言うか。▼
下の写真が石川県の西田幾多郎記念哲学館の「空の庭」の写真です。
どうですか?そっくりですね。コンクリートの経年変化の差こそあれ、見え方一緒ですね。
壁の高さがある分実は西麻布KHKビルの方が贅沢にさえ見えます。▼
南青山のラ・コレツィオーネ
そして、最後にご紹介するのは南青山にあるラ・コレツィオーネは1989年竣工の安藤忠雄建築です。
ここも美容院やイベントスペースが入った商業ビルです。
中はかなり広いビルです▼
コンクリート打放しの階段が美しいですね▼
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TKビル同様奥に入ると吹き抜けの大空間があります。
外からは見えないとても贅沢な空間です。▼
光が差込み美しい影を落とします。▼
ここには水盤はありませんが光の美しさを感じる場所はちゃんとありましたね▼
ここにも安藤建築らしいスリットがありますね▼
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コンクリートでできた渦巻型の階段も安藤建築らしいです。▼
このビルは階段による導線が複数あって、どうやってどこに行くのか入ってみてもよくわからないです。
しかもエレベーターもあるにはあるのですが、それもまた場所が非常にわかりにくいです。▼
スタイリッシュではありますが、使い勝手は決して良いものではないというのが安藤建築らしいではありませんか。
今や世界の安藤忠雄ですが、その安藤さんがそこまで行く過程の建築を麻布界隈(南麻布に1つ、西麻布に2つ、南青山に1つ)で見ることができるのは楽しいですね。
さらに、21_21design sightや表参道ヒルズ 、21世紀キリスト教会を合わせて安藤忠雄建築散歩してみるものいいかもしれません。