立体になった少女マンガ!? 恵比寿のMA2ギャラリーで「Margaret – 少女マンガ彫刻」樋口明宏個展が開催中

Margaret – 少女マンガ彫刻

恵比寿のギャラリー「MA2 Gallery」で「Margaret – 少女マンガ彫刻」樋口明宏 個展というとっても面白い展覧会が開催されています。

この樋口明宏という作家は昆虫の標本や古い仏像を用いた作品で有名な方なのですが、今回の個展はちょっと視点を変えての作品群です。

それが ”少女マンガ彫刻”。

▲1970年代の少女マンガの登場人物たちを彫刻で表現する試み。

70年代の少女マンガキャラですから、鼻は高く尖っていますし、瞳の中には星が光り、まつ毛はビッシリ。髪はボリューミーで当然カールしています。

カリカチュアとしての少女マンガではなく、50歳を過ぎた男性作家が ”同世代の女性が少女の頃に恋い焦がれた漫画の中の人物” を作り出そうとした彫刻です。

なかなか屈折したコンセプトですがそんなコンテクストを汲んで鑑賞するのが面白いんですね。


少女マンガと時代感

漫画全般や少女マンガの良い読者ではなかったので、もしかしたら有名キャラがいたのかもしれません。あくまで ”想像の少女マンガ” とその実在としての彫刻に関する感想になります。

▲MA2ギャラリーで最初に出会ったのが彼です。

カールした長髪、星が輝く瞳、思わせぶりな指の仕草。

そしてとっくりセーター。絶対 ”タートルネック” なんて言葉もなかった70年代のキャラですよ。芸が細かいです。

▲これはちょっと面白い造形ですね。

▲これは60年代スポ根路線のキャラでしょうか。

▲彫刻という立体作品なので、写真では面白さが半減していると思います。

本来2Dで描かれていた少女マンガを3D化しているところにも面白さがあるので、ぜひギャラリーに足を運んで3D表現である彫刻作品をじっくり鑑賞してもらいたいですね


2Fに並ぶ作品

MA2ギャラリーは4フロア構成になっています。

この個展は4階まで全部のフロアを使って展示しています。

▲これは2階の奥に展示されていた作品。どこかで見たような方ですね。

粗い削り出しが逆に少女マンガに生々しさを与えているようです。

また顔にスクリーントーンを貼っているのかと思ってよく見たら、スクリーントーン風に墨で描いていました。ロイ・リキテンスタインみたいですね。

▲彼を反対側から見たところ。

正面、左右で印象が違ってくるので、絶対実物を見た方がいいですよ。

▲同じ2階の作品。

▲見る角度によっても印象がガラッと変わるのが彫刻作品の面白いところ。


3階の作品たち

さらに3階、4階へも上がってみます。

▲3階へ上がる階段の上にも作品が!

▲絶望で心が壊れた女性の彫刻。これも見る角度によって絶望度合いが違って見えるんですよね。

またこの作品だけは擬音語が使われています。

▲3階のもうひとつの作品

これも劇的ですねぇ。

大きく開いた眼、思わず開いた口、なにかが飛び交う背景。

▲よく見ると背景も単なる黒ベタじゃなくて立体的に浮かび上がっています。

劇的効果を強調するために、3D化した作品をさらに立体を強調しているのだと思います。


4階の作品を忘れずに

3階はオフィススペースとシェアしていてちょっと狭いんですね。その代わり4階は広めに展示スペースが取られています。

▲4階には高さ20cmくらい、他の作品の半分くらいのサイズの作品が並んでいました。

▲この小さいサイズのシリーズは栗の木から削り出しています。

眼やまつ毛などは水性マーカーのようです。

▲4階の一番奥に展示されているのが一番劇的な作品かも。ヘアスタイルからファラ・フォーセット・メジャースみたいですけど、でも少女マンガですからね。

4階フロアの本棚の奥にあるので見逃さないように。

▲作品を正面から見ると横顔ですけど、少し斜めから作品を見ると顔の表情までしっかり見ることができます。

▲こんな感じで建物の外を見ているのか、それとも吹き抜けになっている3階のフロアを見下ろしているのか。

いろいろ想像をたくましくさせてくれる展示です

今回の樋口明宏の個展、かつて少女マンガを読みふけった時代の自分と今との違いを考えさせてくれる展覧会になっています。また単に2Dのマンガが3Dの彫刻になっているその違いを気楽に楽しむ展覧会としても面白いです。

彫刻や現代アート好きな人はもちろん、マンガに興味にある人にも足を運んでもらいたいですね。


MA2ギャラリー

現代美術のギャラリーなのですが、いつもちょっとポップなスタンスでの展覧会が多くチェックが欠かせません。

▲パンデミックで営業自粛中に開催された「Window Gallery Project」。

ギャラリー内に入れないことを逆手に取って、ウィンドウショッピングならぬウィンドウギャラリー。外から眺めるだけの展覧会を開催したこともあります。

▲フロアは4フロアですが、それぞれ空間構成が異なります。

2階が一番複雑な空間なので映像作品の上映とかいつも工夫されているんですよ

▲またMA2ギャラリーは2021年から恵比寿映像祭の会場にもなっています。これはその時の小瀬村真美の作品です。

1階フロアを真っ暗にしてのインスタレーションでした。

▲これは3階から4階へ上がる階段。

エレベーターなどはなく、1階から一番上の4階まで全部階段です。


MA2ギャラリーの場所

恵比寿駅からだと恵比寿通りで白金の方に向かい「恵比寿郵便局」交差点の角です

広尾駅からなら広尾の商店街から広尾五丁目の交差点で明治通りを渡ってそのままひたすら真っ直ぐ。「恵比寿郵便局」交差点に出るので右斜めのビルがMA2ギャラリーです。

恵比寿からも広尾からも歩いて10分くらい。

▲恵比寿ガーデンプレイスからなら歩いて5分くらいですね。

写美+MA2とか、ガーデンシネマ(今は休館中ですが)+MA2とか組み合わせると良いかもしれません。

けっこうオススメのMA2ギャラリーなので、まずは今回の「Margaret – 少女マンガ彫刻」展からどうでしょうか。

Margaret–少女マンガ彫刻 樋口明宏 個展 基本情報

名称 Margaret–少女マンガ彫刻 樋口明宏 個展
会場 MA2 Gallery
最寄駅 広尾駅、恵比寿駅
会期 2022年1月7日(金) 〜 2月3日(木)
休廊日 日月祝日、火曜日は要アポイント
開廊時間 13:00 – 18:00

 

MA2 Gallery 基本情報

名称 MA2 Gallery
住所 渋谷区恵比寿3-3-8
最寄駅 広尾駅、恵比寿駅
休廊日 日月祝日、火曜日は要アポイント
開廊時間 13:00 – 18:00

 

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