六本木ピラミデのWAKO WORKSでも始まったリヒター展。国立近代美術館と両方観なきゃダメ

ゲルハルト・リヒター ドローイング展

ドイツ出身の現代アートの巨匠ゲルハルト・リヒターの最新ドローイング展が六本木ピラミデのWAKO WORKS OF ART(ワコーワークス)で始まっています。今私たちが一番近場で鑑賞できるリヒターです。

リヒターは今年2022年で90歳。そして画家としての活動を始めて60年になるという記念の年でもあり、箱根のポーラ美術館や上野の西洋美術館ではリヒターをフィーチャーした展覧会が開催されています。そして本命とも言える「ゲルハルト・リヒター展」が竹橋の国立近代美術館で始まっています。

六本木のWAKOと竹橋の近代美術館それぞれのリヒターを紹介します。

六本木ピラミデのWAKO WORKS OF ARTはずっとリヒターの作品を扱っていて、日本でリヒターの作品を購入しようとしたらまずWAKOという存在です。

そのWAKOでの展覧会は「ゲルハルト・リヒター ドローイング展」。

2018年から最新2022年4月1日に描かれた新作ドローイング18点と1957年、つまり版画家だった若い時代の版画作品が展示されています

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WAKO WORKS OF ART

ピラミデのWAKOはギャラリーなのでそれほど多くの作品が展示されている訳ではありません 。

▲「Elbe 1957」の版画作品。全部で31点。

Elbeとはドイツ東部を流れるエルベ川のこと。リヒターは旧東ドイツのドレスデン出身(後に西側へ亡命)ですからエルベ川には相応の思い出があるのでしょう。

▲新作のドローイングです。

半分くらいが2020年以降、パンデミックでのロックダウン中に描かれたものもあります。

▲一番新しいのは写真で向かって右の壁にかかっている作品たちです。

最新は2022年4月1日ですからまさに描きたてほやほやです。

ドローイング以外のリヒター作品

「ゲルハルト・リヒター ドローイング展」には初期の版画と新作ドローイング以外にも何点か作品が展示されています。

▲WAKO WORKSの奥に小さな小部屋があり、そこにも3点あります。

ちなみに写真左手の部屋に版画作品「Elbe 1957」が展示されています。

▲どちらも21世紀になって制作された作品。この写真には写っていませんが、写真の印画紙にスクラッチを付けた作品もあって、いかにもリヒターという特徴的な作品たちです。見逃さないように。

▲ポスターや図録も販売されていました。

WAKO WORKS OF ARTとしては16回目のリヒターの個展だそうですし、東京の美術館としては初めてというリヒターの個展が同時開催されているのですから力が入っています。

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WAKO WORKSの場所とアクセス

六本木ピラミデビルの3FがWAKO WORKS OF ART(ワコウ・ワークス・オブ・アート)です。

▲地下鉄六本木駅から徒歩3分

まずWAKOでリヒターの最新作を観てから竹橋のリヒター展を観るか、竹橋でリヒターを観た後にWAKOで新作を観るか。アートファンには悩ましいところですね。

イベント名 ゲルハルト・リヒター ドローイング展
Gerhard Richter : Drawings 2018-2022 and Elbe 1957
会期 2022年6月11日(土) 〜 7月30日(土) (日月祝は休廊)
会場 WAKO WORKS OF ART
住所 港区六本木 6-6-9
開館時間 10:00 – 18:00
入場料 無料
予約 オンライン予約制 (当日予約可能)

箱根のポーラ美術館の「モネからリヒター」展も開幕直後に訪問しているので、ポーラ美術館のリヒターも紹介します。

▲左がリヒター、右がモネ。展覧会のタイトル「モネからリヒターへ」を表すような展示ですね。

リヒターについては図録の販売もありますし、雑誌の特集なども組まれていてプチブームな感じです。リヒターについてもっと知りたければ画像をクリックしてAmazonで書籍をどうぞ▼

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東京国立近代美術館の「ゲルハルト・リヒター展」

竹橋にある東京国立近代美術館で2022年10月2日(日)までの会期で始まったのが「ゲルハルト・リヒター展」。

▲日本では16年ぶり、東京の美術館としては初めてのゲルハルト・リヒターの個展です。

キービジュアルといて使われているのは1966年の「Motor Boat」という作品。これを見てあっと思った人も多いでしょう。

スパークスの1974年の作品「Propaganda(プロパガンダ)」のジャケ写真そっくり。というかスパークス(とアートディレクターのモンティ・コーツ)がリヒターのこの作品を引用したのでしょう。1974年だと欧米でリヒターが注目を浴びている時期ですから。

▲会場入口の撮影ポイントその1。

会場内は基本的に写真撮影可能です。撮影不可な写真にはその旨掲示があります。

動画はNG。もちろんフラッシュ、三脚それと自撮り棒もNGです。

ゲルハルト・リヒター展の作品

それではゲルハルト・リヒター展の作品の一部を紹介します。

作品は全部で120点あまり。全部しっかり観ると2時間コースです。

▲会場入口で目を惹く「8枚ガラス」。

▲今回の展覧会の目玉作品でリヒターの代表作で、人類が未来に残すべき作品「ビルケナウ」。

日本では ”アウシュヴィッツ” と略称される「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」のことです。その強制収容所でゾンダーコマンドと呼ばれる労務者が命がけで撮影した写真を元にした作品です。

元になった写真も展示されていますが、それは撮影不可。あまりに衝撃的な写真ですから。

この「ビルケナウ」はドイツ人に限らず人類にとっての原罪的な出来事にどう立ち向かうかというヘビーな作品です。

▲「カラー・チャート」シリーズ。

一つの展示室がほぼカラー・チャートだけで埋め尽くされています。

この写真には人が写っていませんが、今はこの展示室にベンチが置かれ観客が滞留するようになったそうなので、こんなにゆったり鑑賞することはできないかもしれません

▲そのカラーチャートの展示室にはミラーとグレイペインティングの作品が展示され、面白い効果を上げています。

展示構成はリヒター自身が手掛けたからこそですね。

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▲目がクラクラしそうな作品。

▲それを映し出すガラス作品。

▲そしてキービジュアルにも使われているフォト・ペインティング作品。

▲左は「ルディ叔父さん」。この写真を撮影した2週間後に戦死しています。その右奥には20年後くらいに能天気に遊ぶドイツの若者「Motor Boat」。

世界中にあったはずの青春と無くなってしまった青春の対比。これはリヒターが狙って配置したのだと思いたいです。

また「1945年2月14日」という作品もあります。第二次大戦中の広島・長崎に並ぶ惨事とも言われるドレスデン爆撃がテーマです。リヒターの中ではWW2での出来事が大きなテーマになっているのです。

ドレスデンでの出来事についてはカート・ヴォネガット・ジュニアの「スローターハウス5」も参考になります。村上春樹も大きな影響を受けている作品です。

▲髑髏を描いた有名な作品も来ています。

▲この展示エリアには他にもフォト・ペインティングの作品が並び人気なエリアでした。

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▲これはオイル・オン・フォトのシリーズ。

▲こちらはドローイング。

リヒターのすべての世界を鑑賞できる本当に ”大規模”な個展です。

▲これはアラジンシリーズ。

▲そしてリヒター唯一のフィルム作品「フィルム:フォルカー・ブラトケ」。14分あります。

2時間以上どっぷりリヒターの世界に浸かったあとはミュージアムショップへ。

▲トートバッグにTシャツにポスターに。見ているとポスターが大人気です。次がポストカードでしょうか。とにかくミュージアムショップも大行列です。もうひと頑張り。

図録だけが欲しいならリヒター展出口の特設ショップじゃなくて、近代美術館の常設ショップでも売っています。また図録はかなり重いのでAmzonで買うという手もあります。

▲特設ショップでポスターなどグッズを買ってこれで終わりと安心してはいけません。

2Fでは近代美術館の収蔵作品を使った「ゲルハルト・リヒターとドイツ」というコレクション展を開催しているからです。

これを観ないとなんのために近代美術館までリヒター展を観に来たのか分かりません。とにかくこの2Fの「ゲルハルト・リヒターとドイツ」は必見。それでもまだ体力に余裕があれば3F、4Fのコレクション展も観ておきましょう。リヒター展の入場券でコレクション展にも入場できますから

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東京国立近代美術館の場所とアクセス

東西線竹橋駅から徒歩2分です。

東西線の中野寄りの車両に乗り竹橋駅の1b出口から出ればすぐです。

九段下駅や神田神保町駅からも歩けるけど、体力温存のためにも竹橋駅の利用をおすすめです。麻布十番から南北線で飯田橋乗り換え、六本木から日比谷線で茅場町乗り換えです。

多くのメディアで取り上げられ話題になりつつあるし、SNS映えするせいかそういう作品目当ての観客も来てかなり混雑しているリヒター展です。

六本木WAKOでのリヒターはもちろん、それに併せて竹橋まで足を延ばし東京の美術館では初めてという個展もしっかり鑑賞しておきたいです

ゲルハルト・リヒター展 基本情報

イベント名 ゲルハルト・リヒター展
会期 2022年6月7日(火) 〜 10月2日(日)  *)月曜休館
会場 東京国立近代美術館
住所 千代田区北の丸公園 3-1
開館時間 10:00 – 17:00 (金土は20:00まで)
チケット 平日 :一般 2,200円、大学生 1,200円、高校生 700円、それ以外は無料
予約 日時予約推奨
公式サイト 公式サイト
手元に来るのは遅くなるかもしれませんが、重い図録を持ち帰ることを考えるとAmazonで買うのもアイディアです。画像をクリックするとAmazonへ▼

国立西洋美術館のリヒター

上野の国立西洋美術館がリニューアルされ、その記念展「自然と人のダイアローグ」にもリヒターの作品が展示されています。

展覧会のサブタイトルが ”フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで” ということで、箱根のポーラ美術館と似ていますね。ともかく、4つの場所でリヒターを観られるという状況です。

▲左がモネ、右が西洋美術館が所有しているリヒターの「雲」。フォトペインティングの作品です。

実はモネの作品はいくつも展示されていますがリヒターの作品はこれだけ。週末は相当混み合ってこんなにクリアに観ることはできないかもしれません。上野まで出かけるのはけっこう大変ですが会期中に訪問したいですね。

自然と人のダイアローグ展 基本情報

イベント名 国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ
フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで
会期 2022年6月4日(土) 〜 9月11日(日)  *)月曜休館
会場 国立西洋美術館
住所 台東区上野公園 7-7
開館時間 9:30 – 17:30 (金土は20:00まで)
チケット 平日 :一般 2,000円、大学生 1,200円、高校生 800円、それ以外は無料
予約 日時指定予約
公式サイト 公式サイト

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