狸坂と狐坂
今回の「麻布の坂道」シリーズは「狸坂」と「狐坂」です。
六本木の「呼きつね」、「狸だんご」と続いたので、狸と狐をいっぺんに見られる元麻布の狸坂(たぬきざか)と狐坂(きつねざか)という場所を紹介します。
というのはこの2本の坂道、実はほぼ繋がっているのです。
それにしても狸が住んだり狐が出たり、武蔵野台地の端に位置する麻布エリアの江戸時代はかなり自然が残っていたのでしょうね。
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狸坂(たぬきざか)の入口
まずは狸坂。でも狸坂の始まり(坂上)はちょっと見では分からないところから始まっています。
▲麻布十番から元麻布方面へ登る「大黒坂」を登りきったところの変則四差路です。
左へ行くと「一本松坂」。元麻布ヒルズの前を通って「麻布氷川神社」やステンドグラスで有名な「安藤記念教会」、「アルゼンチン大使館」の前を通って「仙台坂」へ繋がります。
右側に見えるのは”はっぴいえんど”の歌でも有名な「暗闇坂」。
「狸坂」へはこの写真の真ん中の道を進みます。
元麻布の狸坂
50mも進まないうちに滑り止めが刻まれた路面に変わります。
少し向こうに港区が設置している坂道の標柱が見えますね。
▲狸坂の標柱のところから見下ろしたところ。けっこうな急坂だということが分かります。
路面に滑り止めが付いているのも納得です。
▲”人を化かすたぬきが出没した” という坂道の由来が書かれています。
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麻布グレイス・ゴスペル教会(旧セント・メアリー教会)
そんな標柱のすぐ目の前に麻布でも有名なある施設が建っています。▲狸坂の標柱近くの「麻布グレイス・ゴスペル教会」。昔は「麻布セント・メアリー教会」という名前だったと思います。
教会としてより結婚式場としての方が有名だったかもしれないですね。
パンデミックの少し前に裏手の関連ショップやレストランともども閉業しています。
下から狸坂
真っ直ぐ細い道はそのまま登ると旧テレビ朝日通りに繋がっています。途中にはサンマリノ大使館があったりしますね。
お巡りさんが立っている道を行くと「狐坂」です。
ちなみにお巡りさんが立っているのは狐坂が中国大使館(の裏門)を通るからです。
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テレ朝通り側から狐坂
狐坂を旧テレビ朝日通りから下ってみましょう。
旧テレ朝通りの中国大使館の1つ広尾側の信号のところです。
通り沿いも小さな商店街風。
▲この辺りから微妙に道が下りはじめ、坂道が始まったことが分かります。
ただ狸坂と違って狐坂には港区の坂道標柱がないんですよね。
ここが通称「狐坂」です。
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アラブ イスラーム学院
ここでちょっとアラブ イスラーム学院の紹介
でも普通は ”イスラム学院” と呼んでましたけど、正式な略名は”アラブ イスラーム学院” なようです。
要するにサウジアラビア政府が設立したアラビア語学校です。
狐坂の始まり
イスラム学院の辺りから本格的に坂道らしくなりますが、でも狸坂ほどの急坂ではありません。
写真で自動販売機と児童ありの交通標識のところから左へ入る小路が見えます。
その小路を入ると児童公園の脇を通ってがま池をかすめて麻布運動場・野球場のところに出ます。
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このように狸坂と狐坂、意外と交通の要衝的な場所なのです。
右の方は狸坂。
左へ行くと暗闇坂の下にも出られるし麻布十番の商店街にも繋がります。
おそらくですが、「狸坂」の反対側の坂道にも名前を付ける必要に迫られこっちが ”たぬき” ならあっちは ”きつね” でいいやという感じで命名されたんじゃないですかね。
坂道を上ったり下がったり、でも結局同じところ繋がっていたり、こっちの坂道から思わぬところへ抜けられたり。
麻布という土地が台地の端っこにあることを思い知らされるような狸坂と狐坂です。